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トルコリラ相場はどうなる?リラ高となるかリラ安となるか!

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今後6ヶ月から1年程度の期間はトルコリラ安となる可能性が高い

テクニカル分析による見通し

FXトレーダーのなかには高金利通貨であるトルコリラに注目し、実際にトルコリラ円などの通貨ペアでトレードされている方が多くいらっしゃると思います。トルコリラの今後の見通しを、トルコリラ円の週足チャートをもとに分析してみると、過去3年間にわたって続いてきたトルコリラ安円高のトレンドに終止符が打たれる可能性があるとは言い切れません。

テクニカル指標のひとつであるMACDは、2018年2月上旬に再びデッドクロスしてしまいました。また、ローソク足がすべての移動平均線の下側に位置しています。このため、トルコリラ安円高のトレンドが継続する可能性が高いと思われます。FXトレーダーの方へは、チャートにおいてテクニカル指標に基づく分析を入念にされてからポジションを持たれることを、おすすめしたいと思います。

地政学的な要因からの見通し

トルコの南側の隣国であるシリアでは、数年間にわたって内戦が続いています。そして、シリアからトルコへ難民も押し寄せています。このシリア内戦問題も、トルコリラ安のひとつの要因となっていました。シリアにおいて、ISは掃討されつつありますが、いまだに反政府勢力と政府軍が対立し、政府側をロシアが支援し、さらにアメリカも介入しています。

さらに今年の2月になってから、シリア軍がイスラエル軍の航空機を撃墜し、イスラエル軍がシリアに対して報復攻撃を行いました。つまり、シリアを取り巻く紛争に参加する国が増える可能性が増しており、状況によってはトルコも巻き込まれる可能性さえあります。

シリア内戦の問題が片付かないかぎり、ロシアとシリアの中間地点に位置するトルコ情勢が安定する確率は低いといえます。軍事情勢の観点から、トルコリラについては買いポジションを持たないほうが良いことを、FXトレーダーの方へはおすすめしたいと思います。

数十年という長期的な期間であればトルコリラ高となる可能性が高い

イスラム世界における経済大国

イスラム世界において主要な国家は3つあります。規模の大きな順に述べると、人口約9500万人のエジプト、人口約8000万人のイラン、そして人口約7900万人のトルコです。経済規模で述べると、トルコのGDPは約8500億アメリカドル、イランのGDPは約4000億アメリカドル、エジプトのGDPは約3300億アメリカドルとなっています。

トルコ経済は、過去約10年間にわたって年率5%以上の経済成長を続けており、世界の主要国のなかでも屈指の持続的経済成長率を記録しています。

イスラム世界において地政学的な優位性を持っている

トルコは近代的な経済大国であるだけでなく、イスラム地域ではトップレベルの経済規模を誇ります。なおかつ、地政学的にヨーロッパ、中東、ロシアに挟まれた戦略上有利な場所に位置しています。このため、アメリカにとってトルコは反ロシア戦略にとって欠かせない存在です。

アメリカはトルコの軍事力増強を支援し、トルコの経済発展にも支援を行うことによって、ロシアがバルカン半島や地中海へ進出しようとする行為を未然に防ぐ方向へ外交政策を展開しています。アメリカの同盟国である日本も、アメリカ同様にトルコとの経済協力を強く推し進めているのです。

一方、エジプトの外交政策は、相対的に孤立主義をとっており、将来的に地域覇権国となる可能性は低いです。なおかつ、将来的には、トルコ、もしくはアメリカやロシアといった他国の勢力圏に入る可能性が高いと予想されています。また、イランはペルシャ湾とイラクに権益を持つことから、アメリカから常に警戒心を持たれており、外交的な攻撃を受け続けています。

このためイランはイスラム世界において覇権を握ることはできず、アメリカはイラン壊滅に動く可能性さえあるのです。イスラム世界の地政学的要因に基づいて、トルコの優位性を分析すると、数十年単位ではトルコの経済規模はさらに拡大していくと予想できます。このため、FXトレーダーへは、長期的にはトルコリラは「買い」であることを、おすすめしたいと思います。

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