スプレッドに注目しよう
スプレッドとは何か
スプレッドとは通貨の売値と買値の差(BIDとASKの差)のことを指す言葉です。
例として、ドル円相場を挙げてみましょう。現在の売値が1ドル110円ちょうどで、買値が110円03銭だとすると、その差は3銭ということになり、これがスプレッドになり、「スプレッドは3銭だ」ということができるのです。
FXの始め方を一から勉強するのであれば、スプレッドについては深く理解しておかなければなりません。なぜかというと、利用するFX業者を選ぶとき、このスプレッドが決め手となるケースが非常に多いからです。
スプレッドが小さい方が利益は大きくなる
では、なぜFX業者を選ぶ際に、スプレッドがそこまで重要になるのでしょうか?その理由はズバリ、「スプレッドが小さい方が利益は大きくなる」からです。
たとえば、今後ドル円が上昇すると予想して、買い注文を入れたいと考えているとします。このとき、提示されているドル円の買値は、業者によって異なります。基本的にはスプレッドが小さい業者ほど、より安い値で買い注文を約定させることができます。
つまり、その後目論見どおりにドル円が上昇して利益を確定するとき、差益を大きく確保できることになるのです。より大きな利益を目指したFXの始め方をマスターするためには、そういったスプレッドによる有利不利を、十分に計算しておくのがおすすめです。
たとえスプレッドの差がわずか0.1銭であっても、取引を重ねることによってその差は確実に大きくなっていきます。実際に自分が利用するFX業者を選ぶときは、なるべくスプレッドが小さいところに決めるのがおすすめです。
自分に合った取引ツールを探す
FX業者を選ぶときにスプレッドが重要になるという点は理解していただけたと思いますが、ではそれだけで対策は十分なのでしょうか?
実はFX業者選びには、もうひとつたいへん重要なポイントがあります。それは、「取引ツールの使いやすさ」です。FX業者が提供する取引ツールは実にさまざまで、細かい点を含めればかなりの差があるといえます。
たとえば、「発注と同時に利益確定ポイントと損切りポイントをpips単位で指定したい」と考えたとしましょう。しかし、その機能は全ての業者の取引ツールに備わっているわけではありません。たとえそうしたいと考えても、利用する業者によっては、それは不可能となります。
また、スキャルピングを行う際に、利益確定ポイントと損切りポイントを、約定した価格からより近いところに設定したいと考えることもあるかもしれません。しかし業者によっては、「約定値と決済値が数pips離れていなければならない」といった取り決めもあるため、実際は取引ツール上で操作ができないケースも考えられるのです。
このように、たとえ自らが理想とするFX取引の始め方があったとしても、取引ツール上でその操作が不可となっている場合は、それ以上どうしようもありません。
FX業者を選ぶとき、確かにスプレッドを比較するのは重要なポイントですが、実際に取引を始めてから不自由な思いをしないよう、取引ツールについても事前にしっかりとチェックしておくことを強くおすすめします。取引ツールの使い勝手については、実際に取引口座を開く前にデモトレードを利用してチェックするという方法もありますので、それを利用して十分な検証を行うのもおすすめです。
取引可能な通貨ペアを確認する
取引可能な通貨ペアは基本的に多い方がよい
利用するFX業者によって大きく異なる点は他にもあります。そしてその中でも重要なもののひとつに、「取引可能な通貨ペア」が挙げられるでしょう。
FX市場で取引されている通貨ペアには、実に多くの種類があります。メジャーなところでいうと、たとえばドル円やユーロドル、さらにユーロ円などです。そういったメジャーな通貨ペアはほぼ全ての業者で取引が可能となっているのですが、問題はそれ以外のマイナーな通貨ペアの存在だといえるでしょう。
自分はドル円以外取引するつもりはないので関係ない…と考える方もいるかもしれませんが、実はその考え方には大きな落とし穴があります。なぜかというと、「取引可能な通貨ペアは基本的に多い方がよい」からです。
ポートフォリオという言葉を耳にしたことはあるでしょうか?わかりやすくひと言でいうと、「リスク分散」という意味です。そしてその考え方は、当然ながらFXの世界にも当てはまります。つまり、たとえばドル円だけを取引するよりも、それ以外の通貨ペアも並行して取引した方が、全体的なリスクは小さくなるという考え方です。
FXの始め方について考えるとき、主要な取引通貨ペアを決定するのは何も悪いことではありません。しかし、長期間に渡ってFXで利益を上げ続けていくためには、やはりリスク分散についても深く知る必要があるのです。
そして、いざ多様な通貨ペアを取引しようと決めたときすぐにそれを実践できるように、利用するFX業者を決定する際には、事前に取り扱い通貨ペアが多いところを調べておき、そういった業者を選択することをおすすめします。
取引に慣れるまではあえて通貨ペアを限定しよう
リスク分散のためには、なるべく多くの通貨ペアでの取引がおすすめだと理解していただけたと思いますが、実は例外も存在します。その例外とは、「FX取引を始めたばかりの方」です。
各通貨ペアには、そのペアによって実にさまざまなクセがあります。しかし取引を始めたばかりの方が、それらのクセを全て把握するのは不可能です。
さらに、マイナーな通貨ペアになればなるほどスプレッドも大きくなる傾向にありますし、取引にあまり慣れていない方がそういった通貨ペアに手を出すのは、思わぬ損失を招いてしまう可能性があるともいえるでしょう。
取引に慣れるまではあえて通貨ペアを限定するのもひとつの手です。もちろん取引にある程度慣れてしまえば、マイナーな通貨ペアまで手を広げても全く問題ないので、そのタイミングを上手に見極めるよう努めてください。
その他で注目すべきポイント
約定力の違いを探る
FX業者を選ぶとき非常に大切なポイントとして、「約定力の差」が挙げられます。約定力とは、簡単にいうと「希望する価格でどれくらいポジションが取れるか」を指す言葉だと思ってください。FXの始め方を学んでいる段階の方がよく勘違いしているポイントが、この約定力についてです。
FX市場では、必ずしも希望する価格での約定は保証されていません。指値注文を除き、スリッページ(約定値の滑り)が発生することがあるからです。そしてスリッページが大きくなればなるほど、自らが用いた取引ロジックの理論値とは異なる結果が数字として現れてきます。
つまり、想定した利益や損失の幅よりも、結果が大きくブレてしまうわけです。そのブレをできる限り小さくするためには、約定力の高い業者を利用するしかありません。約定力が高い業者なら、自分が希望する価格で約定する可能性がグッと高まるからです。
約定力ばかりは、実際にいろいろな業者を利用してみないと、なかなかその実態がつかめません。そのため、少なくとも最初からひとつの業者に絞ってしまうよりは、複数の業者で口座を開いてみる方がおすすめだといえます。
提供される情報量はどれくらいか?
どの通貨ペアを取引する場合も同じですが、取引を行うためには何らかの基準が必要になります。もしも勘だけに頼って取引を続ければ、その結果はよくないものになることが目に見えているからです。そしてその基準となるのは、正確な情報以外にないといってもいいでしょう。
FX業者は、ホームページや取引ツール上で、実に多くの情報をユーザーに提供しています。ただし、その情報量は全ての業者で同程度ではありません。できるだけ正確で多くの情報を発信している業者を選ぶことが、FX取引を成功させるためには必要不可欠なのです。
また、情報の量だけではなく、その配信の速度も重要なポイントになります。たとえどれだけ正確な情報でも、鮮度が失われていれば取引に役立たないこともありますので、そういった点も考慮して利用する業者を選ぶようにしましょう。