FX取引をするために、なぜ取引時間帯を選ぶ必要があるのか?
外国為替市場は、平日はほぼ1日24時間稼働しているため、ひとりのトレーダーがすべての値動きをパソコンの画面や、スマートフォンの画面でチェックし、値動きに即座に対応することは不可能です。
そして、FX取引の始め方としては、睡眠時間を削ってできるだけ値動きを監視する方法はけっしておすすめできません。したがって、効率的なトレード戦略を構築するためには、世界の主要な外国為替市場の値動きや取引金額の規模に着目して、どのような市場でどのような通貨ペアを取引すれば、収益を得られるかを見極めることが重要になってくるのです。
主要市場において取引しやすい通貨ペア
東京市場(日本時間午前9時から午後6時)
アジアにおいては、東京市場が最大規模となっています。後述するロンドン市場やニューヨーク市場と比べると取引金額は薄くなるのですが、世界の投資銀行やヘッジファンドが東京市場を利用して、自分たちが望む方向へ為替レートを誘導しようと試みる傾向があります。
このため東京市場の時間帯においては、まずは日本人に親しみがあり、一定の値幅を取ることができるドル円の通貨ペアで取引されることをおすすめしたいと思います。そして、リスク許容度の高いトレーダーの方へはポンド円の通貨ペアもおすすめしたいと思います。東京市場におけるドル円の値幅は平均して80銭前後となっており、ポンド円の値幅は平均して1円を超えているからです。
ロンドン市場(日本時間午後4時から翌日午前2時)
FX取引の始め方としては、イギリスのロンドン市場の特徴を把握しておくことも、おすすめしたいと思います。
BIS(国際決済銀行)によると、ロンドン市場は、世界の外国為替市場のなかでは取引金額の約30%を占めているといわれ、世界最大規模となっています。このため世界中から膨大な数の投資家やトレーダーがロンドン市場に参加しています。
その結果、それぞれの通貨ペアの為替レートの変動率は高くなる傾向があり、もっとも値幅が狭いユーロポンドでも1日あたり40pips変動し、ポンドスイスフランの場合はでは1日で140pipsとなっています。
ロンドン市場で効率的にトレードをするために、初心者のFXトレーダーの方へは為替レートの変動率が低いオーストラリアドル円の通貨ペアをおすすめしたいと思います。1日あたりの変動率が60銭程度でおさまっていますし、ひとつのトレンドへ緩やかに動いていく傾向があるためです。
ニューヨーク市場(日本時間午後10時から翌日午前7時)
FX取引の始め方としては、アメリカのニューヨーク市場の特徴を把握しておくことを、おすすめしたいと思います。
BIS(国際決済銀行)によると、ニューヨーク市場は、世界の外国為替市場のなかでは取引金額の約20%を占めているといわれています。そして、ニューヨーク市場では日本時間では午後10時から午前2時までの4時間の間に、FX取引の大半が執行されるといわれています。理由は、ヨーロッパのトレーダーがまだ仕事をしている時間帯であるためです。
ニューヨーク市場では、ドルを中心とした通貨ペアの取引が活発になされています。理由は、ニューヨーク市場の時間帯にアメリカの株式や債券を売買するために、日本やヨーロッパなどの投資家が自国の通貨をドルと交換する取引を行うからです。
このため、FXの初心者がニューヨーク市場の時間帯に取引をする場合は、ドル円の通貨ペアで取引することをおすすめします。ニューヨーク市場の時間帯だけで、平均して80銭程度は毎日変動するからです。ですからデイトレードをする方にとっても、収益機会が多い時間帯といえます。