FXが投資の中でも難しいと言われる理由は？
勝ってる人は全体の5％？
投資対象として、株と並ぶほど有名になったFX。特徴であるレバレッジ取引は、数万円の少ない資金から始められるため、若い世代の方にも比較的敷居の低い投資としておすすめできます。しかしよく聞くのは、FXで勝っている人は全体の5％前後であるという話です。
100人いたら95人は利益が出ないか、損をしていることになります。これだけメジャーな金融商品がなぜそれほど利益を出しにくいのでしょうか？
FXの難度が高いわけではない
実はこの利益が出にくい原因は、為替相場の値動きのせいではありません。一番の原因として挙げられるのは、トレーダーの過剰な取引数です。FXをしている人にありがちなのが、取引期間がやたらと短く、短期間のうちに何度もトレードするパターンです。人によってはスキャルピングのように、数秒で一つの売買を完了させます。中には一日で数百回の売買をするという人もいます。
薄利売買は人間の癖
行動ファイナンスのような学問でも言われるように、人には目先の利益を確保したがる性質があります。これからどうなるか分からない未来に賭けるよりも、確実に得られる利益を守ろうとする心理です。そのためたとえ利益効率が悪いと分かっていても、人は安心を優先して薄利売買に陥りがちです。
特にFXはスプレッドと言われる実質的な手数料が安いため、一回の取引での手数料がそれほど気になりません。そして知らず知らずのうちに、積み重なった手数料が利益を飲み込み、長期的な損失となってしまいます。トレードでよく損失を出すパターンに損切り貧乏がありますが、FXではその前に取引貧乏になる可能性が高いのです。これがFXで勝ちにくい大きな理由です。
FX初心者におすすめの低リスクな始め方
大きなお金を口座に入れない
売買しすぎない方がいいと分かれば、あとは素人でも始め方次第でスムーズにいきます。最初の注意点としては、いきなり口座に生活に関わるような大金を入れないことです。始めはやはり分からないことだらけです。どれくらいの取引量で行えばいいか、損切りはどうするか、イベントやニュースといったどんな不確定要素が潜んでいるか。
FXの基本を確認する前に口座に大金があると、ちょっとしたミスや感覚のズレでとんでもない損失を出す可能性があります。大切なお金なのですから、本格的な運用はド素人である現在の自分よりも、ある程度経験を積んだ将来の自分に託すべきでしょう。まずはお試し感覚で、少ない資金から始めることをおすすめします。
チャートの時間軸は長く設定
為替相場は期間が短いほど動きが複雑で、ある程度長い周期になると値動きが単純になります。分かりやすく言えば、短期売買は高知能の人向け、長期売買は凡人向けです。
自分は頭がいいから短期の複雑な値動きでも対応できるという方はそれでもいいですが、儲けやすさ、損のしにくさを考えたときに、自ら難問に挑戦する必要は決してありません。特にFXをお小遣い稼ぎではなく、立派な資産運用の手段と考えている方にとって、安易な考えに陥りやすい短期売買は間違った始め方です。
ではどうすれば長期売買がうまくできるかというと、これは簡単でチャートの時間軸を長くすればいいだけです。チャートで分足、時間足、日足などの周期が選択できるので、4時間足以上の長い周期に設定しましょう。地図で言えばズームアウトです。この設定をするだけで、短期売買が中心のベテラントレーダーよりも、正確に相場の流れを把握することができます。
損切りは忘れずに
長期売買だからといって、必ずしも利益が出るわけではありません。一般的に短期トレーダーは見込みのないポジションをすぐに損切りして次のトレードに切り替えますが、長期トレーダーはいつまでもボケっと放置する人が多いです。
当然ですが、含み損のポジションは長く放置するほど損失幅が大きくなる可能性が高くなります。こういった失敗トレードをどのタイミングで見限れるかも、投資において非常に重要なポイントです。大損失を防ぐためにも、資金が少ない運用のうちに適切な損切り幅やタイミングを身に付けておくといいでしょう。
